皮膚をなめらかにすることから、美肌の湯と呼ばれることもある炭酸水素塩泉。
なぜ、肌がきれいになるのでしょうか?
炭酸水素塩泉とは、実際はどんな温泉なのか、わかりやすく解説したいと思います。
炭酸水素塩泉
炭酸水素塩泉とは?
「温度が摂氏25度以上」という温泉の定義にあてはまらなくても、1kgに含まれる含有成分が基準を満たし、中でも炭酸水素イオン(HCO₃)が陰イオンの主成分であるものを、炭酸水素塩泉といいます。
旧泉質名では、重炭酸土類泉と重曹泉に分類されていました。
重炭酸土類泉は、カルシウム-炭酸水素塩泉、マグネシウム-炭酸水素塩泉。
重曹泉は、ナトリウム-炭酸水素塩泉。
炭酸水素塩泉の特徴
東京都大田区に多くみられる「黒湯」は、炭酸水素塩泉で、ナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹泉)に分類されます。
重曹泉であるナトリウム-炭酸水素塩泉は、石鹸効果で肌の表面をキレイにします。
重炭酸土類泉は、日本には数少ない泉質です。
無色透明のお湯ですが、成分により濁ることもあります。湯船に白淡褐色の成分がつくことがあるのも特徴の一つです。
炭酸水素塩泉の効能
療養泉の効能(正しくは適応症)には、一般的適応症と泉質別適応症があります。
一般的適応症について、詳しくは温泉とは何か【定義をわかりやすく説明】を参考にしてください。
炭酸水素塩泉の泉質別適応症は以下の通りです。
きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
効能ではありませんが、前述したような美肌効果は期待できます。
アトピー性皮膚炎の方で、肌がピリピリしやすい方でも、塩化物泉に入った時のような刺激はあまり感じませんので、安心して入浴できます。
入浴後は、炭酸水素イオンの働きで、皮膚表面からの水分の発散が盛んになりますので、さっぱりすることから、清涼の湯とも呼ばれています。