単純温泉という言葉はよく聞かれると思いますが、その中身はあまりよく知られない方も多いのではないでしょうか。
おそらく、成分が単純なのかと思われている方もいることでしょう。
単純温泉とは、実際はどんな温泉なのか、わかりやすく解説したいと思います。
単純温泉
単純温泉とは?
単純泉と言われることもありますが、正しくは単純温泉。
なにが単純なのでしょうか?
成分が単純なのかというと、そういうことではありません。
温泉法に定められた、温泉の定義は以下の通りです。
- 温度が摂氏25度以上
- 定められた量以上の物質を有するもの(1kg中)
温泉の定義に関して、詳しくは温泉とは何か【定義をわかりやすく説明】を参考にしてください。
この2つのどちらかにあてはまらなければ、温泉と名乗ることはできません。
単純温泉は、この2つのうち、「温度が摂氏25度以上」のみがあてはまるものです。
成分が単純なのではなく、様々な含有成分はあるが、基準に満たない量であるということです。
含有成分が基準値に満たないけれども、温泉源から採取されるときの温度は25℃以上あれば、単純温泉ということになります。
単純温泉の特徴
含有成分が基準値に満たないとはいっても、様々な成分が含まれていますので、単純温泉の特徴を一括りにすることは難しいです。
しかし、単純温泉の特徴として言えることは、突出した成分が少ないことから、やさしい泉質であるということ。
カラダへの刺激は穏やかですから、肌荒れや湯あたりを起こしにくいなど、リスクも少なく、子どもや高齢者でも安心して楽しめる、万人向けの温泉といえます。
日本でも一番多い泉質が、単純温泉であるといわれています。
例をあげると、名湯といわれる道後温泉、箱根湯本温泉も単純温泉です。
単純温泉の効能
療養泉の効能(正しくは適応症)には、一般的適応症と泉質別適応症があります。
適応症について、詳しくは温泉とは何か【定義をわかりやすく説明】を参考にしてください。
単純温泉の効能は、一般的適応症のみで、泉質別適応症はありません。
療養泉の一般的適応症(浴用)
・筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり
(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
・運動麻痺における筋肉のこわばり
・冷え性、
・末梢循環障害
・胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
・軽症高血圧
・耐糖能異常(糖尿病)
・軽い高コレステロール血症
・軽い喘息又は肺気腫
・痔の痛み
・自律神経不安定症
・ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
・病後回復期
・疲労回復
・健康増進
単純温泉の中でも、pH8.5以上はアルカリ性単純温泉、pH8.5未満は単純温泉と分類します。pH7.5以上であったら弱アルカリ性単純温泉といえます。
効能ではありませんが、アルカリ性単純温泉は、皮膚の古い角質が取れツルツルになることから、美肌の湯といわれることがあり、特に女性には評判です。
高pH値の温泉になると、お湯に入ると結構ぬるぬる感じます。
東京近郊では、山梨県の小菅の湯は、このpH値の高いアルカリ性単純温泉です。
アルカリ性単純温泉に行かれた際には、足元がツルツル滑りやすいことがありますので、十分お気を付けください。
多摩源流温泉 小菅の湯 http://kosugenoyu.jp/